久しぶりのAdvice

理沙、

東京事変の「閃光少女」を聴いたことがある?4週間前に椎名林檎のライブに行ってから、僕は彼女の音楽を聴きすぎて寝不足だ。嵐とEXILEのような音楽とかなり違う種類だが、椎名林檎の歌詞は非常に麗しいので、作家として一目に足る。東京事変の「化粧直し」もお薦めだ。

さて、小説のアドバイスに入ろう。あ、その前に一応言っておくけど、今日はほんっとに眠いから今回のアドバイスは日本語の間違いが圧倒的に多いかもしれない。内容自体は多分そんなに変わらないだろうと思うけど、まあ、どうだろう。笑。

今日は語り口、すなわち語り手の声(これは作家の文体ではなく、語り手の物語に対する態度である)について少々説明したいと思う。言うまでもなく、これは小説家として非常に大事な道具だ。僕にとって、一致した語り口で小説を書くのは大変難しいことである。

前に説明した「見方」がカメラだとすれば、語り口がレンスである。見方と同様に、どんな語り口を利用するを問わず、物語の出来事自体が変わらない。ただ、語り口に通じて読者の話に対する気持ちや見解がかなり変わるのだ。

と言っても、まだ相当分かりにくいと思うので、例を一つ挙げる。

「また引っ越すのか。お母さんが病気になってから、私たちは何回も引っ越さなければならなかった。私はいいけど、妹にとってはかなりつらいことなんだろう。こんな貴重な時に何回も友達を作り直すなんて、とんでもない。いったい何考えているんだよ、父さん。そう思って私は再び涙を堪え、崩れそうな家から飛び出した。

息が出来なくなるまで走っていた。父さんも、入院している母さんも、いつも泣き出しそうな顔をしている妹も、しばらくみんなのことを忘れたかった。闇に覆われた、あの暗い世界から逃げたかった。ふと気づくと、私は塔のよう樹に囲まれ、薄暗い森の中心に立っていた。いったいどこまで走ってしまったんだろうか。自分の行方が分からなくて、こころの奥で僅かな恐怖が芽生える。とその時、十メートルほど前、でっかい影がそっとこっちへ樹の間を擦り抜けてくる。それを見ると身の毛がよだつ。この森にはウサギより大きい動物はいないはずだ。ドン、ドン、ドン。巨大な影がどんどん私の方に突撃してくる。恐怖に襲われた私は足を動かせない。助けて、お父さん。助けて、お母さん。誰か、助けて。思わずそう呟き、深い森の中心で気を失ってしまった」

以上は僕が勝手に暗く解釈した、「隣のトトロ」の場面の一つである。このとんでもない実例は語り口の力を示している。話の出来事自体が全く変わっていない。ただ、この語り口を通して映画にはなかった主人子の悩み、惑い、恐怖などを、鮮明に感じることが出来る。何故かというと、暗い語り口を選んだからだ。

語り口に関して一番大事なのは、語り口を変えないことだ。ストーリーが進むにつれて語り口が何度も変化してしまうと、読者を混乱させるからだ。語り口は急に一変してしまうと、まるで違う小説を読んでいるように感じられる。言うまでもなく、これはとても良くないことだ。物語の最中に見方が変わらない限り(これも避けたほうがいいと思うけど)、語り口は一致すべきだ。そういうわけで、小説を書く前から既に語り口を決めているべきだ。暗い話を書きたかったら、最初から暗く書いて。一方、明るい話を書きたかったら最初から明るく書いて。きちんとこうすると、話がどうなるかを問わず、読者にとって本格的な小説を読んでいるように感じられる。語り口を決めずに書いてしまうと、優柔不断な素人が作った謎のようなものになる。

小説を書く前に、見方と語り口について決断するべきだ。そうしないと、僕のように何回も同じ段落を書き直さなければならないからだ。苦笑

それでは。